Diary (2007.3.15-16) 第71回日本循環器学会

 

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神戸国際会議場で開催された第71回日本循環器学会に参加してきました.当院からは菅原重生先生が心エコーの演題でポスター発表がありました.タイトルは「Visualization and Estimation of the Myocardial Dysfunction Based on the Flow Structure in the Left Ventricle Obtained by Echo-dynamography」です.

   
ポスターの発表をした当院の菅原重生先生.ポスターを貼り終えたところで記念写真.
   
ポスター発表中の西條芳文先生.タイトルは「Two-dimensional Blood Flow Vector Imaging of Retardant Flow in Left Atrium」です. ポスターで気になったステントフラクチャーの演題.やはり長い病変に入れたDESはフラクチャーが問題のようですね.
   

Controversyで気になっていたのは3月16日に開催された「左冠動脈病変に対する治療選択:PCI vs. CABG」でした.会場は立ち見の参加者が出るほどの盛況でした.左冠動脈の特に主幹部の病変をPCIにするのかCABGにするのかについて,あつい討論がかわされました.野崎徳洲会病院の角辻暁先生,新東京病院の中村淳先生はPCIでのLMT病変の良好な治療成績を出しておりました.また,LMTに対するPCIの長期予後(5-6年)のデータも良好なものでした.これに対して,心臓外科の先生からは,初回待機の症例の手術死亡率がすでに1%以下(0.89%)にまできていることを2005年のレジストリーから提示されておりました.さらに,CABGは極めて長期の予後(10-15年)がすでに確定している点を強くアピールしておりました.

   
確かにCABGの成績は年々良くなっていることは事実です.
   
全国平均のCABG(総数8089例)の死亡率が2005年で1%を切っていたことはこの時まで知りませんでした.
   

Controversyの最終結論は,LMTのmidの病変についてはPCIによる治療が容認されるのではないかとの結論でしたが,入口部,分岐部,びまん性の病変についてはまだどちらとも結論は出せないといったところでした.CTOもLMTもPCIで治してしまう時代になると,本当にCABGは過去の治療法になってしまうのでしょうか....?

 

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